「痺れる」沼田まほかる
9篇の短編集。
まほかるさんはこれで2冊目。
この人は短編の方がいいかも。
以前に読んだ長編「ユリゴコロ」は途中で失速した感じだったけど、
短編だと失速するヒマがなくて最後まで持続できる感じ。

最初の「林檎曼荼羅」は、猟奇的なシーンなのにそこでものすごい愛を描くっていう、
なんとも言い表せないお話。
「普通じゃない」はおもしろかった。
ラストの「シュルシュルー、シュルシュル」のオチ、最高です。
「テンガロンハット」「クモキリソウ」は日常の恐怖みたいな。
テンガロンはオチもおもしろかった。
あとは「ヤモリ」「レイピスト」「沼毛虫」が良かったな。

まほかる作品ってドラマにしたらおもしろいと思うんだけど、
まだなってないのかな?
深夜枠とかなら出来そうな気がする。
| な行(その他) | 22:32 | comments(0) | trackbacks(0)
「ユリゴコロ」沼田まほかる
一昨年あたりにブームになってて、読んでみたいなーと思っていた作家さん。
「イヤミス」って紹介されてたけど、読後感は別に悪くない。
嫌な感じはないな。ただ、何ていうか、もやもやする感じ。

「ユリゴコロ」と書かれたノートを見つけて、亮介がそれを読んでいくシーンは
亮介と同じようにドキドキして、息を詰めて、
「何だこれは?」と思いつつ、早く先が読みたいような、読みたくないような、、、
焦るような感じで一気に読んでいったんだけど、、、
父親の告白あたりから、ちょっと失速。
ラストは、えぇーっ、ちょっとキレイすぎない?って感じ。

妹の英実子の話を読んでみたいと思う。
本当に亮介の父親のこと好きだったのかな。
姉が殺人鬼と知った時、姉の代りに母親になる時、
死んだはずの姉が生きているのを知った時、
どんな気持ちだったんだろう。
美紗子より英実子が気になります。。。
| な行(その他) | 22:52 | comments(0) | trackbacks(0)
「ゴドルフィンの末裔」永橋流介

競馬ミステリー。
JRA内部の人間が主役なので、競馬好きなワタシとしては
なかなか面白かったです。

「巨大な詐欺事件」とタイトルの「ゴドルフィン」から
モハメド殿下のゴドルフィンをかたる詐欺の話?と勝手に想像したけど全然違ってた。

全体的にご都合主義な感じはしたけど、結構ハードボイルドでぐいぐい読ませる感じ。
拉致された車の中で初めて観たダービーを語るあたりは、
くさい演出だーと思いつつ、その熱い思いにちょっとウルっと来た。

ちなみに、ワタシの初めてのダービー馬はアイネスフウジンです。古っ(-_-;)

| な行(その他) | 23:07 | comments(0) | trackbacks(0)
「桐畑家の縁談」中島京子
桐畑家の縁談
桐畑家の縁談
中島京子

台湾人と結婚することにした妹・佳子と、仕事も恋も中途半端な姉・露子のお話。

ちょっと露子にイライラ。
このままではダメなんだろうなぁ、、、と思いつつ流されちゃうみたいな。
分かるけどね、分かるけど読んでてイライラしちゃうのよね。
これはやっぱ、自分にも同じような部分があって、それをイヤだと思ってるから
なんだろうな。

露子はこの後どうするんだろう。恋人とはやっぱ結婚しないのかな。
続きを読んでみたい。
| な行(その他) | 23:59 | comments(1) | trackbacks(1)
「均ちゃんの失踪」中島京子
均ちゃんの失踪
均ちゃんの失踪
中島 京子

ヤフオクで激安で買った本。
「あ、漢方小説の人だ」と買ったのだけど、これは勘違い。
「漢方小説」は中島たい子さんでした。

失踪癖があって、複数のガールフレンドがいる均ちゃんと、
その均ちゃんをめぐる人たちの話。

40代の元妻、「均ちゃんはパートタイム彼氏」だという30代の女性、
20代の恋人、腹違いのゲイの弟、そして学生時代の彼女とその娘。
均ちゃんに係るいろんな年代の女性が、それぞれでおもしろい。
特に20代の恋人・薫。彼女の心境の変化がいい。

女性たちは考え悩み前へ進んでいくのに、
均ちゃんは相変わらず何も変わらないまま。
ラスト、「みんな、いなくなる」と情けない声を出す均ちゃんを
「かわいそう。。。」と思いつつ、
「こーゆー男はかわいそうに見えるだけ。実はそんなに寂しがってない」と
自分にいい聞かせてた。
何で自分に言い聞かせてるんだ?>ワタシ ^^;
| な行(その他) | 23:34 | comments(0) | trackbacks(0)
「漢方小説」中島たい子
漢方小説
漢方小説
中島 たい子

漢方のようにじんわりと効くお話。

昔の彼氏が結婚すると聞いたのをきっかけに体調を崩す主人公みのり。
その体の変化であれこれと悩むけど、
最後には「病気を治したい」の一歩先「変化を恐れない自分になりたい」にたどり着く。
そうして体と心のバランスをとり戻す。

漢方医に「はまるでしょ? 東洋医学」と聞かれるみのり。
唐突な言葉にみのりは返事をできないでいたけど、ワタシは思わず返事したよ。
うん、ちょっとハマリそう。
なんだか面白そうだし、効きそう。プチ不調なんてなくなりそうな気がしてくる。

「体は常に変化してます。」
「病気は自分が生み出す変化ですから。自分の一部でもあるわけです。」
漢方医のこのセリフにふむふむと納得。
変化も病気も自分の一部だと思えば、無駄に不安になることも減るだろうなぁ。
| な行(その他) | 23:13 | comments(2) | trackbacks(0)
「頼子のために」法月綸太郎
頼子のために (講談社文庫)
頼子のために (講談社文庫)
法月 綸太郎

ぐいっと引き込まれました。
どんどんページをめくってしまう。
でも、読後感はあんまり良くないな。

気持ちの悪い家族関係だよね。
ちょっと理解できないところもある。
父親の愛を求めているからって、そこまでする?
妻を愛してるからって、そこまでする?
そして妻は全て気付いていたのに放置?

読後感が良くないもうひとつの理由は、綸太郎が病室の窓を開けたこと。
うーん、いいのかなぁ、だって自殺幇助でしょ。
本当にそれが「頼子さんのため」になるのかなぁ。。。
| な行(その他) | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0)
「誰彼」法月綸太郎
誰彼(たそがれ) (講談社ノベルス)
誰彼(たそがれ) (講談社ノベルス)
法月 綸太郎

「雪密室」が正直つまらなかったので、期待しないで読んでみたら
なかなか面白かった。

綸太郎の推理がどんどん変わって、こちらはそれに引きずり回される感じ。
いや、綸太郎自身も引きずり回されてるのか。
もう疑がわしい人いないんじゃないってくらい、推理がことごとく外れる。
いい加減にしろって言うか、あんまりだよって気もしたけど。
あとがきによると『ラストで「最終的な解決を覆す一行を書き加える」強い誘惑を覚えた』らしい。
そんなことされたら、法月作品とはここでおさらばになってたかも。

とにかく複雑。ぼーっと読んでると分からなくなる。
ワタシは二回、戻り読みしました。

読み始める前に、たまたま法月綸太郎さん(著者の方ね)の写真を見かけてしまったので
読んでる最中、探偵・綸太郎を想像すると、法月さんになってしまうっていう
良いんだか悪いんだか分からない状態になってた。
でも多分、良くなかったんじゃないかと。
だってワタシの綸太郎のイメージと法月さんは、ちょっと違うもん。
綸太郎はもっと好青年のハズ ^^;
| な行(その他) | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0)
「雪密室」法月綸太郎
雪密室 (講談社文庫)
雪密室 (講談社文庫)
法月 綸太郎

作者と同名の探偵が出てくるなんて、エラリー・クイーンみたい。。。

なーんて言ってみたいけど、エラリー・クイーンは読んだことないです。
海外ミステリは身体が受け付けません。

探偵・法月綸太郎シリーズの一作目。

はっきり言って、つまらなかった。
あまりにも普通すぎ。
犯人が誰で、動機は何で、多分トリックはこんな感じってのが、
考えてたまんまなんだもん。

どの人物も薄っぺらな感じ。それに綸太郎にはこれといって魅力は感じない。
これについては作者もあとがきで認めてるし、初期の作品だし仕方ない?
とはいえ、法月親子の関係とか、綸太郎の母親の死とか、この辺の事は気になる。

「雪密室」と一緒にシリーズ二作目の「誰彼」も購入済みなので、近いうちに読みます。
多分、思うに、探偵・法月綸太郎は読んでいく内に、味が出てくるんじゃないかと
期待してるんです。好青年みたいだし。
| な行(その他) | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0)
「輓馬」鳴海 章
輓馬
輓馬
鳴海 章

映画「雪に願うこと」の原作。

「輓馬」というタイトルが、いまいち本を手に取りにくくしてるような。
だいいち、読めないし。

ストーリーはありがちな、いい話。
競馬場での常連の競馬親父とのシーン、そしてばんばレースシーンがすごく良かった。
馬から立ち上る湯気とか、競馬場の雰囲気がとても伝わってくる。
競馬好きなワタシには大満足。
生のばんばレース、ぜひ観に行きたい。
| な行(その他) | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0)