「オーダーメイド殺人クラブ」辻村深月
これ、かなり好き。

懐かしいっていうか、中学2年の頃からの20歳くらいまでの気持ちを思い出させてくれる。
自意識の塊で、今思えば「痛い」感じだけど、当時はそれが普通なんだよね。
ワタシも高野悦子さんの「二十歳の原点」を読んでから数年は、
自分も二十歳になったらきっと自殺をすると思ってた。
別に自殺志願があった訳でもなくて、自分は他の子とは違うと思いたかったんだと思う。

アンと徳川が殺人を実行する現場を見に行くシーンが一番好き。
二人でアイスを食べて、手をつなぐところ。
すごく好き。情景が目に浮かぶ。
このシーンは映像でみてみたいと思った。
映画化されないかな。
| た行(辻村深月) | 22:32 | comments(0) | trackbacks(1)
「冷たい校舎の時は止まる」辻村深月
冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
辻村 深月

読み始め、いきなり辻村深月が出ててびっくり。
法月綸太郎みたいだね。

お話は、ミステリのような、SFのような、ホラーのような。

おもしろいけど、これはちょっとズルいなぁ。
だって、ある人の意識の中の話で、設定はその人の自由になる訳だから。

最初からなんとなくアヤシイ人物は分かる。名前とか出てないし。
だから最初はその人が飛び降りたのかと思ったけど。
ヒロとみーちゃんの話は最後まで気づかなかった。
数年後の指輪のところで、そうだったのか、、、と。

一人ひとりのことをしっかりと書いてあるのでイメージしやすい。
みんな好きだな。
特にお気に入りは景子さん。彼女の言葉づかいとか、惹かれる。
ツボなのは充。
扱いはイマイチ軽めだけど、一番怖い目にあってるような気がする。
彼が人形になってしまうシーンは、マジ怖かった。

話の基になってる「ランゴリアーズ事件」。
スティーブン・キングの「ランゴリアーズ」は観たことあるけど、
あれも誰かの意識の中に……って話でしたっけ?
時空がどうの、、だったような?
「マリーセレスト号事件」はどうなんだっけ?

たまにはパラレルっぽいのもおもしろいね。
辻村作品は他のも読んでみたい。
| た行(辻村深月) | 23:43 | comments(0) | trackbacks(0)
「スロウハイツの神様」辻村深月
スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)
スロウハイツの神様(上) (講談社ノベルス)
辻村 深月

「あらゆる物語のテーマは結局愛なんだよね」
ラスト近くの正義のセリフ。
この本もそう。テーマは愛。

このミス2008の「私のベスト6」で、安田ママさんが
「あきらめないで下巻まで読みとおして。そうすれば感涙の嵐!」と書いていた。
どのブログだったか忘れたけど、「上巻はつまらない。
やめようと思ったけど下巻まで読んでよかった!」と書いていた。

うーん、感涙の嵐にたどりつくにはガマンが必要なのね。
こう言われると、なんかちょっと読んでみたくなるんだよね。
読んで良かった!っていう達成感が大きそうで。

で、読んでみた。
これは大当たり! 読んでよかった!
確かに上巻はこれといった動きがないのでつまらないかもしれない。
でもここはちゃんと読んでおくべき。
ものすごく伏線がいっぱい張ってある。布石がごろごろしてる。
それが後半で明らかにされていく爽快感。そして愛。
涙が出ることはなかったけど、なんていうか気持ちが優しくなれる。
上巻では環のこと全然好きになれなかったんだけど、
後半はとってもかわいく思えた。

辻村作品は初めてなんだけど、もうビンゴ!って感じ。
初めて恩田陸を読んだときと同じ。ハマりそうな予感。
もう一作品読めば予感が確信に変わるかな。
| た行(辻村深月) | 14:48 | comments(0) | trackbacks(0)