「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

あなたは、この結末を「誤訳」する。

オスカル・ブラックの世界的ベストセラー「デュダリス」の最終巻を世界同時発売するために集められた9人の翻訳家たち。原稿の流出を恐れる出版社のエリックは、翻訳家たちを厳重な警備のもと監禁状態で翻訳させる。しかしある日、最終巻の冒頭部が流出。エリックのもとには「これ以上流出させたくなければお金を払え」との脅迫状が届く。翻訳家たちの誰かが流出させたと疑うエリックは、犯人が名乗り出るまで食事や電気も止め監禁を続ける。だがそれでもまた流出してしまい……。

ネットも電話もなし、外界との接触を全て閉ざされた中での翻訳作業。
そんな状態で一体どうやって流出したのか……、
一体誰が流出させたのか……。
集められた翻訳家たちは、ちょっとクセがありそうな人物もいるけど、
みんな「デュダリス」のファンみたいだし、流出させる動機はなさそうだけど。

観ていて途中で、翻訳家じゃなくて作家が流出させたんじゃないの?
なんでエリックは作家を疑わないの?って思ってたんだけど、疑う必要がない理由があったんですね。
ちなみに作家のオスカル・ブラックは謎の人物で、その正体を知っているのはエリックだけ。

冒頭の火事の映像、途中に警察で対峙しているエリックと翻訳者のアレックスのシーンが挟まるので、
「ん? んん?」ってなりながら観てたけど、なるほどそういう事かって後半に納得できます。

本屋のおじいさんジョルジュとアレックスの出会いのシーンがいいですね。
本を万引きしようとするアレックスに、ジョルジュは「オリエント急行殺人事件」の犯人はだれかと質問する。
正解したら本を持って帰っていい、不正解だったら店を手伝うようにいう。
アレックスの答えは合ってたけど、ジョルジュは「そこの本を棚に並べて」と。
「あれ?」と思ったけど、アレックスが万引きしようとした本がまさに「オリエント急行殺人事件」なんですね。
夏休みにだけお店にくる少年を本好きと見抜いて、ジョルジュは友だちになりたかったんでしょうね。
いい出会いです。このシーンが一番好き。

見終わって気になるのは、オスカル・ブラックはもう作品を書かないのかなぁって事と、撃たれたカテリーナはどうなるのかなぁって事。
カテリーナにはちゃんと最終巻を読んでほしいな、読まないで亡くなったら無念すぎるよ。
| 映画(か行) | 17:26 | comments(0) | -
「翳りゆく夏」


あなたが 誘拐犯だったんですね

「誘拐犯の娘が大手新聞社の記者に内定」という週刊誌のスクープをきっかけに、新聞社が20年前の新生児誘拐事件を再調査する。当時の資料をもとに取材を重ねると、ある真実にたどり着いた。

これは映画じゃなくて全5話のドラマ。
おもしろくて引きこまれて観てたんだけど、最終話はちょっと「?」な感じでした。

突然に真犯人にたどりついちゃって「ん?」ってなったし
風俗嬢の照代が実家に帰るのもちょっと「ん?」だし
真実を知った未来くんが仏壇の前で微笑んでるのも「ん?」だった。

もちろん全てをはっきり説明する必要はないし、
観た人がいろいろ考えてね、なのは分かるけど。。。

誘拐が起きた当時、幼稚園児だった照代は今でも当時のことを覚えているのも正直疑問だった。
覚えているものかな?
警察に聞かれてるから記憶に残ってるのかな。
私なんか幼稚園当時の記憶なんて、園への道順くらいしか記憶にないんだけど。

息子を誘拐された夫婦がなんとも痛ましかった。
20年経っても自宅には赤ちゃんの部屋があって、この夫婦の中ではまだ子どもは赤ちゃんのままなんだよね。
実は生きていたと知ってどうなるんだろう。
この夫婦の20年はどうなるんだろう。
自分には考えても考えても全く想像つかないよ。
| 映画(か行) | 16:24 | comments(0) | -
「ゴーン・ガール」

ゴーン・ガール [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]



本当に大切なものはいつも
失って初めてわかる


仲のよい夫婦ニックとエイミー。5回目の結婚記念日にエイミーがこつ然と姿を消してしまう。
幼少の頃からベストセラー小説のモデルとされていたエイミーの失踪は全米で話題になり、ニックは妻の捜索を訴える。
ところがカメラの前で思わず愛想笑いを浮かべてしまったニックは「悲劇の夫を演じている」と言われてしまい、家に張り付くマスコミに精神的に追いつめられてしまう。
そんなある日、妻のエイミーが帰ってくる。男に監禁されていたというが……。


いやいやいやいや、怖いわエイミー。
やってることの意味がわからない。
全ては自分の理想のため? 自分が満足するため?
そのために、こんなことする?

失踪したエイミーの計画は、お金を盗まれてしまったことによって変更を余儀なくされる。
本来なら、ニックに殺されたように偽装して川にでも沈むつもりだったなんて言ってたけど、本当かな?
うそだよ、最初っから死ぬ気なんてないでしょ。
だって、夫としての役割を演じないニックへの復讐だもの。自分が死ぬ訳ない。

それにしても、どうしてエイミーはこんな歪んだ結婚観になってしまったのかなぁ。
小説「アメイジング・エイミー」が影響してるのかなぁ。
同性からみても、エイミーの行動も考えも理解できないよ。

ところで、この映画にはモデルとなった実在の事件があるらしい。
スコット・ピーターソン事件。
妻は遺体で発見され、妊娠していたため、2人を殺した罪で夫は服役中。
でも無実を訴えている。
真相はわからないけど、この映画の元ネタだと言われているということは……。
| 映画(か行) | 23:25 | comments(0) | -
「完全なる報復」

完全なる報復 DVD



正義とは何か−。

妻と娘を強盗に殺されたクライド。
ほどなく犯人は捕まり、ひとりには死刑判決、もうひとりは担当検事ニックの司法取引により極刑を免れる。
司法取引を拒んでいたクライドは、怒りの眼差しでニックを睨み姿をくらます。
そして10年後、クライドの報復が始まる。

いやいやいや、すごいな。
10年間、ひたすらに報復の準備をしていたのか。
こんなことして何になるって我に返ることはなかったのかな。

とにかく大胆で緻密で狂気に満ちた報復。
途中から刑務所に収監されてしまうけれど、報復は続いていく。
どうやって? 協力者がいるのか?
カラクリは意外に単純だったけど、それでもその壮大な計画に驚く。

ラスト、ちょっと納得いかないなぁ。
あれでいいの?
クライドはあれでいいのかも知れない。いや、クライドだったらあれくらい計算済みだと思うけど。
ニックは? ずるくない? ひとりハッピーエンドみたいな。
うーん、途中までの勢いが良かっただけに、ラストは残念な感じ。
| 映画(か行) | 16:19 | comments(0) | -
「紙の月」


もっとも美しい横領犯。

銀行パートの平凡な主婦が、若い男に入れ込んだ揚句、銀行のお金を横領して…という話。
ありがちなストーリーだね。
うーん、主人公の梨花に全然感情移入ができない。
むしろ銀行のお局先輩の方がわかる。

印象に残ったのは、お局先輩の隅と梨花が対峙するところ。
窓を突き破って逃走しようとする梨花が隅に向かって「一緒に行きますか?」と聞く。
驚きつつ、ほんの一瞬迷うような表情をする。小林聡美うまいな。

もうひとつ、梨花の学生時代のエピソード。
キリスト教系の学校で、発展途上国の子どものために行われていた募金活動。
いつしか誰もしなくなってしまったけど、梨花だけは続けていた。
自分のお金だけでは子どもたちが困るのではないかと、父親の財布から5万円を盗んでまで募金する。
募金は子どもたちのため? 自己満足のため?

ところで「紙の月」ってなんだろう?
梨花が月を見上げるシーンはあったけど…?と調べてみたら、
紙の月、ペーパームーンは「まやかし」という意味らしい。
納得。
| 映画(か行) | 16:48 | comments(0) | -
「コンテイジョン」


【恐怖】は、ウイルスより早く感染する

話題になっていた映画、観てみました。
まさに今!な内容は興味深い。

アジアから始まった感染症が世界中に広がる。
看護師や清掃業者がスト、食料を求めて暴動が起き街は荒廃。
家に引きこもる人々。デマで儲ける人。隠そうとするWHO。

10年前の映画、公開当時に観ていたら「ふーん」で終わってしまうだろうけど、今はリアルに感じる。

予告してたのか?ってくらい、今の世界の状況と似ている。
すごい!と思う反面、つまりは今の状況は予想できる範囲のものだったってことだよね。
あり得ることなのに、用意してこなかったって思うと残念だわ。

ラスト、DAY 1に戻りウイルス発生の状況が描かれる。
こんな些細な事なのか。こんな事でこんな状況になってしまうのかと驚愕。

まさに今なので、多くの人にぜひ観てほしい。
| 映画(か行) | 23:24 | comments(0) | -
「グランドイリュージョン」 「グランドイリュージョン2」



あなたは必ず、爽快にダマされる。

マジックを駆使して悪者から大金を巻きあげ被害者に渡したりと
義賊のような手品師集団フォー・ホースメンの話。
イリュージョンはデヴィッド・カッパーフィールドが監修してるらしく、ド派手。

いい娯楽作品だと思う。見てて楽しかった。
小さな手品から大きなイリュージョンまで楽しめるし、
義賊のようなことをするのでスカッともする。

第1作が特に好き。
女性マジシャンのヘンリーがお気に入りだったんだけど
2作目では実生活で妊娠中のため撮影に参加できず、グループから抜けたことになってたのが残念。
代わりに入った女性がちょっと軽い感じでいまいち好きになれない。

もうすでに第3作の予定があるそうで、楽しみ!
女性マジシャンは変わるのか? 敵役の俳優は誰なのか?
ローズとブラッドリーの関係がどうなるのか?
そしてEYEは?

またワクワクさせてほしいです。
| 映画(か行) | 14:24 | comments(0) | -
「ゴースト・イン・ザ・シェル」
私を作った奴らに 私を止めることはできない

特にあらすじも知らず録画したんだけど、
これが当たり!
この近未来の感じは、好き。

近未来でアジアが舞台って珍しいなーと思っていたら、
原作は「攻殻機動隊」なんですね。知らなかった。
ちなみに「攻殻機動隊」はタイトルしか知らないですが。

とにかく、スカーレット・ヨハンソンが美しい。
ジュリエット・ビノシュが出ててうれしかった。
桃井かおりがいい感じ。

自分は誰なのか、生きているのか死んでいるのか、人間なのか機械なのか、
分からず苦しんでいる姿は、やはり人間だと思った。

終盤、少佐は恋人についていくのかと思ったら、
正義を守るために任務を続けることを選んだのが印象的。
| 映画(か行) | 17:23 | comments(0) | trackbacks(0)
「帰ってきたヒトラー」
「笑うな危険」

狂気の独裁者アドルフ・ヒトラーが現代によみがえって、、、

コメディだと思ってみたんだけど、いやコメディなんだろうけど。
なんというか、見終ってゾワッとするというか恐ろしいというか
なんともいえない恐怖みたいなものを感じた。

ヒトラーって人はカリスマ性があるんだと思う。
人を引っ張るというか、その気にさせるというか。
「民衆が望む世界を作りたい」と言い、「君達が私を選んだんだよ」と言う。
確かにそうなんだけどね。
でも違うんだってことに気づかなきゃいけない。

もし本当に、ヒトラーみたいな人が今現れたら、あのような演説を聞いたら、
何割かの人はその気になってしまう、支持してしまうんだろうなって思える。
少し傾きつつある現代への警鐘。
みんなも見て、ゾワッとした方がいいと思う。
| 映画(か行) | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0)
「空気人形」

心を持ってしまった人形と、心がからっぽな人間達のお話。
人形っていっても、性欲処理用、ダッチワイフとかラブドールとかいうのです。
あんな風になってるんですね。
あーやって洗うんだ、とか、いらん知識が、、、(ーー;)

映像の透明感がキレイだった。
撮影技術なのか、人形役のペ・ドゥナの透明感なのか。
空気が澄んでる感じがした。
音楽も良かった。好き。

レンタルDVD店で、クギにひっかけてしまい空気がぬけてしまったノゾミに、
スカートをまくりあげ順一が空気を吹き込んであげるシーンがめちゃくちゃエロかった。

ラスト、なんか、カナシイ。なんでゴミなの。
誰かの替わりの自分は、用無しになればもうゴミってことなのか。
心がからっぽでも順一は生ゴミで、心をもち恋をしても自分は不燃ゴミ。
そういうことを表したかったんだろうけど。
できれば、ファンタジーっぽいシーンもあったんだから、
ふわふわ空に飛んでいく、みたいなラストが良かったなぁ。

| 映画(か行) | 22:54 | comments(0) | trackbacks(1)