2008.06.23 Monday
「となり町戦争」三崎亜記
となり町戦争 (集英社文庫)
三崎 亜記
香西さんと僕の切ない恋愛モノでもあり、考えさせられる戦争モノでもあるこの本。
面白かったです。
となり町と戦争をするっていう発想がおもしろい。しかも公共事業で。
文庫版書き下ろしの「別章」にある、
「この国に生きる以上、戦争に関わっていようがいまいが、
好むと好まざるとに拘らず、私は誰かを間接的に殺しているのです。
どうせ『同じ』ならば、いっそ私は、自分が戦争に『関わっている』、
つまり、誰かを『殺している』ことを自覚し続けていきたいと思っています。」
この言葉が印象的。
あと「ほ?」の主任も、すごく印象に残ってる。
それにしても、なんとも曖昧な、謎の多い戦争。
ぜんぜん想像できない。一体どうやって戦っているのか。
戦死者は日々増えているし、主人公の「僕」は追われたりもする。
でも具体的に描かないところが、面白いんだろうね。